ザもしくはジ

沖縄の話とかメンヘラの話とか全然関係ない話とか

僕がまだ大阪に住んでいた頃その1

僕達は沖縄に住む前に一回旅行に来たことがある。

一週間の中途半端な長さの旅行。

その頃は犬を連れて泊まれる場所が少なく、ゲストハウスに電話して犬と泊まれますか?と聞いたら「ワンちゃん?大きい?まぁ別にいいよー」と言われ、ん?ワンちゃんと言ったら王貞治だろうと、そりゃ大きいだろうと思ったんだけどO.Kがでたので、これもO.Nだろうと思って、この人よっぽど野球を知らないんだろうなって思いながら電話を切り、その翌日伊丹空港から沖縄へと向かった。

沖縄の情報をまったく知らなかった僕達のイメージは言葉が通じない事と、綺麗な海と、暖かい気候。それだけだったけどそれだけで充分だと思った。2月だったんだけどイメージで暖かいと思っていた僕達は薄着だけを持って沖縄に到着。そしたら2月の沖縄は思いの他寒く、えっ「さぶっ」と思いレンタカーを借りて暖房をつける。

「寒いやん」と「日向は暖かいやん」が繰り返され、僕達はどこに行こうと決めずにとりあえず適当に走っていたら、走っている道路が58号線っていう素敵なネーミングの道路で「国道ゴーヤ、流石やな」「沖縄って感じやな」とか言いながらこの道がきっと一番でっかい道だと確信する。

道路の案内板をふとみると海洋博公園90kmと書いてあったので一番遠いそこまで行ってみようって事になり、そこを目指す事になった。

道路には椰子の木が沢山あって南国だなぁと思いつつ「わ」ナンバーの車はひた走る。ローソンとファミマがあることに違和感を抱きつつ走っていると、途中でナビに道路が丸くなっている場所が出てきて「なんやねんこれ」って言ってたら本当にまん丸で(嘉手納ロータリー)くるくる回って遊んで名護方面に向かった。

しかし、走れども走れども海は出てこず「海ないやんか」と言いながらイメージと違う沖縄に少し戸惑っていたら急にまさしく突然目の前に海が開けた。

「めっちゃ綺麗やんか」と普段須磨海岸しか行った事のない僕達は興奮した。が、すぐに海は見えなくなりまた見える様になりを繰り返しのチラリズムで僕達を誘惑してきた。

そしてなんちゃらビーチの前には必ずホテルが壁の様に塞いでいて、入ることすら許されず僕達はやきもきしていた。すると名護市民ビーチというビーチが出てきて、そこにはホテルは無くここなら行けると思い車を降りた。沖縄に来て初めてのビーチは名護市民ビーチという何となく身近な名前のビーチで僕達は遊んだ。とりあえず海に足をつける「冷たっ泳がれへんやん」と思いながら、犬を海に投げ込みながらケラケラ笑い、ノーリードでビーチをひた走る犬を見て満足した後、砂まみれの犬を見て後悔し、再び車に乗り海洋博公園へ向かう。90kmという距離は意外と遠く運転にも飽きてきた頃、やっと海洋博公園に着いた。時間は夕方6時過ぎ。公園は閉まっていた。

「ふぁっ!?」公園が閉まるなんて考えもしなかった僕達はあっけにとられた。帰り道テンションも下がりきってた僕達は会話も少なく那覇にあるゲストハウスへと向かった。

ゲストハウスというモノがよくわかっていなかった僕達は一泊三千円という安さに不安を感じながらついたらそこはただの汚いビルで、やっぱりなって思って入ると目の前に台所があり数人の人が料理をしながら楽しそうにしていた。厨房が目の前にあってそこで料理をするんだぁと思ってよくみてみるとインスタントラーメンで、んっ?これは何って思っていると部屋に案内されて、その部屋は予想していたより酷い部屋で「やばいな…」「せやな…と小声で言いながら荷物を置いてとりあえず休んでいると先ほどの台所のあった部屋からさわぎ声が聞こえ、僕はなるほどゲストハウスという場所はこういう場所なんだなと思い、ここで一週間はキツイなと思いながら疲れていたのでファミマで買ったお弁当を食べた。

すると次の日の朝、部屋を移動していいよって言われてそのゲストハウスのスイートルームと言われる場所に移動させてくれた。そこは明るく広くさすがスイートルームと感心したと同時になんで移動させたんだろうと考えた結果、僕達はあの会話の輪に入らなかったから気まずさと切なさと心苦しさとで移動させてくれたんだなと思った。

そしてそういえばコンビニの店員さんは「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」をカタコトではなく流暢に話してたなと思い出し、やっぱりコンビニはすごいなと感心していた

そして外は晴れていて(住んでから知ったけど冬の沖縄は曇りが多い)どこか出掛けよっかってなってとりあえずガイドブックは必要だと会議の結果決まりコンビニでガイドブックを買った。すると国際通りという場所があり、そこが賑わっているらしいとの情報が載っていてゲストハウスから近かったので歩いて行く事にした。2月とはいえ日差しは暖かく、やっぱり暖かいやんと思いTシャツに薄めのジャケットで充分で国際通りに向かった。するとその通りには無数の同じ様なお店が並んでいてキャッチよろしくお兄さん方が呼び込みしていて「なんや日本語やん」「ほんまやな」と安心とちょっとの残念さとを感じつつ奇跡の1マイルを歩いた。沖縄そばを食べ、土産物屋さんを冷やかしつつ久茂地から安里までを、今なら到底できない国際通りを歩ききるという行為をした

そして夜はやっぱり沖縄民謡のお店に入って民謡を聴きながらご飯を食べるという観光客定番のコースで沖縄2日目は過ぎた。

3日目彼女はダイビングに出掛けたので僕は犬を連れてドライブした。平和記念公園という場所があるとガイドブックに書いてあったので平和をこよなく愛する僕はそこへ向かった。LOVE&PEACE。到着して何があるんだろうと思っていたところにおばあちゃん達が寄ってきて聞き取れない言葉で何か言ってきた。

おばあちゃん子の僕は必死で聞き取ろうと思ったけど、明らかに日本語では無く、あっこれが沖縄の言葉かっ!と気付き「OKOK」と世界中どこでも通じるであろう言葉で答えた。すると花束を手渡されお金を要求された。値段は忘れたけど、なるほどそういう事かと思いつつ公園内に入った。そこには無数の石碑がありよく見ると県別にわかれていて僕は地元の石碑の前に献花した。この為の花束かぁよくできてるなと感心しきりだった。

そろそろ彼女がダイビングから帰ってくる頃なのでスイートルームに帰り犬といちゃついていたら彼女が帰ってきて興奮気味に「海めっちゃ綺麗ねんで」と言ってきたので「知ってるよ」って答えたらどうやら綺麗さが違うらしい事が判明した。そこは慶良間という場所らしくプールみたいに綺麗って言ってきたので「じゃあプールでええやん」って答えたら怒っていた。

どうやら慶良間に恋してしまったらしく明後日も行く事になったらしい。また犬と2人きりかと思いつつ彼女の延々と続く慶良間の海の素晴らしさを聞いていたらいつの間にか彼女は眠っていた。彼女は喋りながら寝られるのだ。3日目4日目と沖縄を彼女と犬と昼間は散策をし、夜は彼女と国際通りに飲みに行くという日をすごした。途中おばあさんに旅の方かい?と聞かれ ドラクエみたいな聞き方だなぁと思ってちょっと笑ってそうですと答えた。それ以上会話はなかったけれど少しだけ幸せな気分になった。