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ザもしくはジ

沖縄の話とかメンヘラの話とか全然関係ない話とか

香りについて

思い出の香りってあるよね。あれはどういう仕組みで記憶されてるかなんて事はどうでもよくて、唯々素敵な事だと思うんだ。

ある日の午後、君は食事を済ませ突然降り出した雨に、あわてて洗濯物を取り込んでいる時に、どこからか届いた香りで「ふわっ」とあの場所に連れて行かれるんだ。

15歳のやけに雨が多かった夏。学校の帰りに1つだけしかないコカ・コーラの自販機でファンタを買った後、突然後ろから「お前の事好きなんだけど」って言われてびっくりして振り返ったら同じクラスのあいつで、どうしようもなくドキドキして「うん」っとしか言えなかったあの日。突然の雨に2人でなんとなくぎくしゃくしながら雨宿りして、とぎれとぎれの会話で、あたしのどこが好きなのって聞きたくてしかたなかったのに結局言えなくて、ファンタ飲んでたら「一口くれない」って言われて、えっそれってなんかって妙に意識して、そしたらあいつも急に照れたりなんかして、でも「はいっ」ってファンタ渡したら、「あっありがとう」なんて言いながら全部飲んじゃって、「あっごめん」っなんて言いながら、2人で笑って。雨やんでも結局その場から動かなくて、なんか一瞬が一生に思えたあの日。

まさか、クラスのあいつが「きみ」になって「あなた」になるとは思わなかったな。そんな事考えてたら昨日の夜の喧嘩がどうでもよく思えてきて、今日は帰ってきたらまずは「ごめん」って言って、そしてこの思い出の話をしようなんて考えてたら、いつのまにか雨は上がっていて、虹がみえて、ああ綺麗だなぁなんて思ってたら洗濯物は雨でずぶ濡れで、でもなんか笑えてきて、不思議だなぁ、なんて考えてたら子供が帰ってきて、この子もそんな体験するんだろうなと思ってたら何か嬉しくなってきたある日の午後。

どう?そんな昔の素敵な場所に届けてくれるんだよ。香りって素敵だと思わない?