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ワッショイ 仁義なき躾編

ワッショイを部屋へ連れて帰ってみると、あーらびっくり。さっきよりも更に小さくなっていて僕の不安は更に大きくなった。子犬いや小犬だなとか考えているとワッショイはまだプルプル震えていてこれじゃあまるでフレンチプルドッグだなぁと思っていたら部屋を徘徊しだしておしっこをしてプルプルは止まり僕のプルプルが始まった。怒で。

それからの毎日、血みどろの仁義なき躾バトルが繰り広げられ、僕はワッショイのアホさ加減に辟易し、ワッショイは?られる事に辟易し、仲が険悪になって、ワッショイと僕は同レベルになる。争いは同じレベル同士でしか発生しないらしい。

「トイレはこっちじゃけぇのぉぉぉ」と何度文太が登場しようとも臆することなく僕の目の前でおしっこをし続ける。トイレを覚えさす事がこんなにも大変だとは思ってもいなかった僕は正直疲れていた。「フレンチブルドッグは賢くて飼いやすい犬です」って本にも書いてあるのに。ワッショイは小さいからやっぱりアホなんだなと諦めかけ、これはオムツかな的な発想に至り掛かった時、初めて成功する。僕は大いに喜んだ。ワッショイの頭がハゲる上がる程撫でまくり、彼女に「母さん今夜は赤飯やで」って言ったら「母さんちゃうし、自分赤飯嫌いやん」って言われて自分の食べられないものすら忘れる程喜んでいた事に気が付く。すると足下でうんちを失敗しているよね、わかる?この気持ち。

結局失敗と成功を繰り返し成功率が上がる様になって、いかない。ちっ。

同時にコマンドと言われるジェスチャーで行動させるという言葉で書くと格好いいけど、つまるところ「お座り」「お手」「伏せ」「待て」を教える。もちろん出来ない。因みに聞いた話だとTOKYOでは英語で言う人が多いらしい。流石ぶれない。

一番最初に覚えたのは「お座り」で、これは簡単だった。人差し指を顔に近づけると自然と座ってくれる。楽勝だなと思っていたらその他は全く覚えてくれない。一度ワッショイの目の前で指をクルクル回したらそれを目で追いかけてポテンと倒れるという事があって、これは相当なアホだなと確信した。

僕は半ば諦めモードに入り、出来なくてもいいじゃないかと言う。死ぬ訳じゃないし。すると彼女が「あかんで」と言う。最低でも「伏せ」と「待て」は出来ないと困る事になるらしい。そう彼女はカフェに連れて行きたいのだ。スタバにMacみたいなもんで、ドッグカフェじゃない普通のカフェで犬連れOKのカフェに行っても大丈夫な様に躾たいらしい。僕は別に行かなきゃいいのにと思ったけれど彼女の目は真剣だ。

トイレ、コマンド、小さなワッショイに高すぎるハードル。でも救われたのはワッショイは吠えない。これはとても助かった。フレンチブルドッグは吠えない子が多いらしく躾るまでもなかった。

毎日繰り返される猛特訓。僕はトイレだけはちゃんと出来る様になって欲しいと願いながら、彼女はカフェドッグになって欲しいと願いながら。半年程掛かってやっとワッショイはトイレを覚え、一通りのコマンドを覚えた。コマンドは教えた以上に出来る様になり指を顔の前で回すとコロンと横になるようにまでなった。その頃には3ヶ月で1.5kgだった体重も8kgまで増えて未熟児の汚名を挽回する。

そして初めての散歩に出掛ける事になった。

ワッショイにとって初めての部屋の外。何もかもがでっかくて、びびって動けないんじゃないのかと思っていたらトコトコと歩いて行く。びびって歩けない子も大勢いるのに、やっぱりアホは違うなと思う。ワッショイはオスだけど足を上げておしっこをしない。これも躾の賜物でそう教えたんだよね。

公園へ行き初めて他の犬と出会う。ワッショイは一人っ子の様にブリーダーの頃から育てられているので実際に犬と絡むのは初めてだ。どうなるんだろうと思って観察していると、相手の犬もおとなしかった事もありクンクン臭いを嗅ぎあい挨拶をすます。てか犬って見なされていない感がありあまる。その後色々な犬にご挨拶に行く。いわゆる公園デビューってヤツで、僕の社交性も試され、ヘラヘラしながらワントーン高めの声で「可愛いですねー」とか「お名前何て言うんですかー?」とか興味も大して無いのに聞く。フレンチブルドッグはその頃まだまだ珍しく公園マダム達の興味を引いた。で名前を聞かれるんだけれど「ワッショイ」と答えると一度でみんな覚えてくれる。そして、引く。

カフェデビューも果たし、猛特訓の結果立派なカフェドッグと成ったワッショイは何が気に入ったのかカフェが大好きになる。カフェを見つけると入ろうとし、僕達に犬連れOKのカフェ以外はダメと言われても踏ん張って動かない。頑固だ。そして散歩していて小学生に会うと「黒豚や」って言われる事になる。そして僕は「せやで」とニッコリ笑顔で答える。